Posted on 2016.06.24

特集関連企画

高知の地芝居 パート2

高知の地芝居 ② いの町枝川八代・八代八幡宮
八代青年奉納歌舞伎


『義経千本桜 釣瓶鮓屋の場』(2015年公演)

『義経千本桜 釣瓶鮓屋の場』(2015年公演)


八代八幡宮の神祭に奉納するため、地区の青年たちが代々受け継いでいる。芝居をおこなう神楽殿は約100年前に再建され、舞台は、皿回し式、二重台、太夫座、花道、スッポンなどを有している。(国指定重要有形民俗文化財に指定)。

毎年11月5日 夕方5時頃から上演


300年受け継がれる芝居好きのDNA

 五穀豊穣を祈り、神に捧げる奉納歌舞伎。八幡様の本殿に向かい合う舞台から、地区の青年が奉納する様子は300年前から変わってないという。
 水田悠介(ゆうすけ)さんは昨年、女形(おやま)で登場した。「着物を着て、化粧をして、女性を演じる新鮮さは日常生活では味わえない」。家族や親戚が座布団やカーペットを持って席をとり、上演がはじまると、歓声とおひねりの嵐。「その歓声と激励を味わうと、来年も!と気持ちが昂ぶる」。アドリブはローカル色が強すぎて地域外の観客の頭には「?」マークが浮かぶこともあるが、まるでこの地域に住んでいるかのような人間関係の濃さに浸ることができる。


寿司屋の段

八代青年奉納歌舞伎 舞台
見所
毎年、歌舞伎を2つ上演。地区の青年や子どもが登場し、日頃の練習の成果を発揮する。その他、五穀豊穣を祈って踊る「式三番叟」、奉納歌舞伎よりも古い歴史を持つと言われる「大黒踊り」、地元の役者による唄や踊りなどプログラムが多い。お楽しみの抽選大会もある。
楽しみ方
奉納歌舞伎のため、入場無料。寒い時期なので、座布団や毛布を持ち込んで暖をとる人も。会場ではお酒や青年団が作るおでんが販売されていて、購入するとパンフレットがもらえる。小銭をティッシュペーパーに包んだおひねりを用意して、「いいぞ!」という瞬間に投げ込んでみて。

 

【とさぶしMAP】いの町八代八幡宮

  

 高知の地芝居 ③ 香南市赤岡町・弁天座
土佐絵金歌舞伎


『白波五人男』(2013年公演)

『白波五人男』(2013年公演)


赤岡の町中に絵金の芝居絵屏風が飾られる絵金祭りと同時開催。伝承会は、香南市赤岡を中心に36人、県外に異動になっても練習に通ってくる仲間もいる。弁天座は、プロの役者による公演や地元のカラオケ大会など、文化の拠点にもなっている。2016年10月30日(日)、弁天座で地芝居の合同公演も予定している。

毎年7月第3土曜、日曜の17:00〜


絵金の芝居絵屏風が動き出す

 大杯(たいはい)飲み干し大会で知られる赤岡の「どろめ祭り」。町を元気にしたいと龍馬や歌舞伎役者の仮装でステージを盛り立てていた横矢(よこや)のおばばは「絵金が描いた歌舞伎をやろう」と仲間を募り、1993年、絵金祭りで披露した。
 伝承会を立ち上げ、絵金が芝居絵屏風に残した芝居を1つ、それ以外の演目と併せて、毎年2つずつ演目を増やす。雨でも上演できるように農協の出荷場に会場を移し、汗だくになりながら上演を続けた。その場所は、かつて明治時代に数々の興業が打たれた芝居小屋「弁天座」跡。2007年にその名前を引き継いだ新しい芝居小屋が建った。
 立派な芝居小屋でも気取らないのが地芝居のよさ。役者が台詞につまると、客席からビールが手渡されたことも。  



見所
毎年上演される「浄瑠璃式三番叟」は、伝承会のメンバー10人以上が下座音楽を演奏し豪華絢爛。歌舞伎の衣装の色合いは絵金の屏風絵に合わせていたり、高知の地歌舞伎を引き継ぐ中村和子さんの台本と振り付けで江戸とは違った「型」があったり、高知流を発見できるかも。  
楽しみ方
弁天座の前では地元の人たちが作ったお弁当やおでん、向かいの絵金蔵では地酒の振る舞いもあり、飲んで食べて楽しめる。入場は無料で、出入り自由。500円で公式パンフレットも手に入る。カメラやビデオ撮影もOK。  

 

【とさぶしMAP】赤岡町弁天座

 

 高知の地芝居 ④ 津野町高野・三鴨神社隣の廻り舞台
高野農村歌舞伎


『絵本太功記十段目尼ヶ崎の段』(2007年公演)

『絵本太功記十段目尼ヶ崎の段』(2007年公演)


廻り舞台は江戸時代中期に建ったものが1873年に再建された。昭和30年代に芝居が途切れるが、1977年に国の重要有形民俗文化財に指定され、復活。以来、4年に1度のペースで上演を重ねている。

4年に一度、10月の17時頃から(次は2017年)


山奥の古式ゆかしい廻り舞台に、地元役者が勢揃い

 四万十川の源流地を持つ津野町は、古い廻り舞台がいくつもあり、旧家に浄瑠璃本が残されている。その中でも高野地区は日本で唯一、舞台裏でハンドル操作により操る「鍋蓋(なべふた)上廻し式舞台」があり、古くから芝居が盛んな土地だった。30年前から芝居を続ける高橋延隆さんによると、「昭和の初めは年に2回も3回も上演していたようなので、かなりの芝居好きだったはず」。
 舞台の設営から役者まで、芝居を運営するのは高野地区の30名ほど。最年長役者は65歳、女性も舞台に上がり、2か月前から組に分かれて毎晩練習を重ねる。「目の肥えた先輩がおるき、生半可な芝居じゃあ許されん」。芝居の後にお酒を飲みながら、演技を肴に談義が続き、晴れの舞台に向けて気合いが入る。



見所
茅葺き屋根の廻り舞台はぐるりと山に囲まれ、時に雪がちらつく。風情のある光景の中で地歌舞伎が上演される。  
楽しみ方
上演の当日は昼頃から席取りが可能。座布団などでいい場所を取ったら、四国カルストや天狗高原などへドライブに出かけても。上演近くになると、ふるまい酒やしし汁やおでんの販売もあり、食べながら飲みながら観劇するのも楽しい。入場無料。  

 

【とさぶしMAP】津野町高野の廻り舞台

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