

「この頃は“ジューシー”言うがかね?」。浜野三代さん(73)は、漁協婦人部の活動ですり身のてんぷらを作って30年。「むかし柏島にはお城があって、わたしらの町は殿町と呼ばれよったが」。6年前に城下町グループを結成しスーパーで実演販売を始めた。
毎週木曜と金曜にメンバーが集まり、アジの頭を落とし、皮を剥いで餅つき機で攪拌する。味付けは塩と酒、砂糖少々。「ゼンゴいう小さいアジばっかり。甘いと言われるがは、骨もまるごと入っちょうけん」。慣れた手つきで、鉄鍋にすり身を落とす。パチパチという音と共に四角いすり身がぷくっと膨らみ浮き上がってきた。「これはむかし島の冠婚葬祭で五升の飯を炊いた鉄鍋を貰うてきたが。これで揚げんとこの味にはならん」。おばちゃんたちより鉄鍋の方が生まれが古いというのに驚いた。
「どうしたもんか、魚がようけ揚がる土佐清水で行列ができた」。大きな鉄鍋で揚げたてんぷらは多い時には一日千枚近くも売れる。
てんぷらは1枚100円。 毎週日曜に高知県西部のサニーマートで 実演販売をしている。
(第1:宿毛エヴィ、第2、第4:土佐清水、第3:四万十市)