Posted on 2016.07.15

特派員コラム

悪路を往く≪第二章≫

LET`S GO TO THE BAD ROAD!!!

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Badroad #002
【鏡~いの】
小川と棚田のエッジに沿う隘路(あいろ)

 

 悪路。それはロマン。そしてアドベンチャー。
 自分で悪路というタイトルを課してしまったためハードルを上げすぎてしまった感がある…。

 悪路といえども、維持が手抜きというような(そんな側面がある道もあるが)意味合いではなく、初心者にとって難易度が高い、心身ともに消耗するが、高揚感と達成感をもたらすもの…という風に解釈し、自治体や行政などに対する不満を持つものではないことを重ねさせていただきたいと思う。
 前回が海だったので今回は山がテーマ。高知は84%が森林の県。教科書では習わない無数の無名の山地がウェハースのように県を縦横に分断し、それらの山々の向こう側へと越えるショートカットや命をつなぐ交流路として細い道がその山地を無数に割ってねじ込むようにめぐらされている。3桁を連ねるほどの「名路」が高知には散在する、山道好き、いや悪路マニアには宝の県だと思う。
 


なんじゃこりゃ!という迷路のような細い道が山に張り巡らされている「Map data ©2016 Google」

 

 さて、その中でも今回の舞台は、「県庁所在地で泳げる川がある事、しかも複数あるのは異常」と驚かれる高知市。高知市は少し前、土佐山村と鏡村という2つの村を併合した。高知市に含まれた現在もその村の中心地はキャラクター性の豊かな表情を持っていて、それぞれ自然の豊富な素晴らしい山越えのルートの中間地点となっている。とくに市の北西側、鏡川の上流の鏡は高知市街地から鏡に至る県道273号と嶺北方面に抜ける県道6号線が縦に貫き、東の土佐山方面と西のいの方面を結ぶ33号線が横断し交差する十字路の町のような側面がある。今回はその中で西のいの方面に抜けるルートを紹介させていただく。


見事な棚田が谷あいの集落に展開される

 

 鏡から頭の大きなSの字をゆったり縦に描くように南に下りいのの市街地に出るコース取りされている。基本的には険しく立体的な地形だが、壮大な見晴らしの山岳コースというよりは林道の趣がある。
 

 


高台には山道でよく見られる廃車(をそのままにした倉庫)も。

 

 道の起伏はそこまで激しくはないがところどころヘアピンカーブも存在し、路肩は田んぼや側溝があるので注意が必要だ。山で作業や工事をしている場合も多く、思ったより車と出あったりもする。そして当然のようにほとんどの区間が車一台通るのがやっとという細さ。道路標識もほとんどないため、ここが県道であることすら不安になる。

 


雨のあとは無数の無名の滝があらわれるのだろう


 

 壮大な景色はないが、山道のほとんどがそうだが小川に沿って道が走っており、名のない小さな滝や小川のせせらぎ、鳥の声に包まる。鬱蒼(うっそう)とした森林の中から突如現れる、等高線がそのまま田園風景になったような美しい棚田の風景も見ものだ。また、突如として遥かかなたに高知市街のコンクリートジャングルを望む絶景もある。難易度の高さを楽しめるのであれば、心安らぐドライブになるだろう。思ったより上下はないゆるやかさのあるコースでもある。

 


車から美しいせせらぎがあちこちに見える

 

 山間のコースではよくある事だが、行先を書いた青い看板に初めて見る地名が書かれ、まるで家に上がる玄関口のような小さな脇道が無数に現れる。この先にどのような景色が待っているのか、想像したり、気まぐれで入り込んでいったりするのも山道の楽しさだ。

 


のどかな田園風景。田んぼへ行く道、ではなく立派な県道

 

 長い長い山道を走破し、山道の中でも最後の集落が突然ベッドタウンのような賑やかさを見せ、その先に少しだけ立派な交差点や飲食店を見つけた時の、生還した喜びを感じられるのもまた楽しい。

 

 今回はこのコースを紹介させてもらったが、高知の無数の山道はこういった心のオアシスであり、ドライブ天国だ。目的地へ急ぐための作業ではなく、お気に入りのBGMなどを楽しみ、時には停車して自然や絶景を楽しむ身近な旅に出るのはいかがだろうか。
 停車や脇道に入る場合は、地元の方や他の通行者の阻害や迷惑にならないように絶対のご注意をお忘れなく。

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推奨BGM:Roman Andren - Piranha(The Buffalo Hunt)

 

(特派員:浜岡 満)

Posted on 2016.07.15

writer:浜岡満

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